「相続登記、結局いくらかかるの?」——これは誰もが気になる現実的なテーマです。費用は3つの要素に分解できます。一つひとつ見ていきましょう。
① 登録免許税(必ずかかる)
国に納める税金で、相続登記の場合の税率は**不動産の固定資産評価額 × 0.4%(1000分の4)**です。
| 評価額 | 登録免許税 |
|---|---|
| 500万円 | 20,000円 |
| 1,000万円 | 40,000円 |
| 3,000万円 | 120,000円 |
| 5,000万円 | 200,000円 |
計算は**「不動産の価額の1,000円未満を切り捨てた額(課税標準額)× 0.4%、算出した税額の100円未満を切り捨て」。ただし計算した税額が1,000円に満たない場合は1,000円**になります。市区町村が発行する固定資産評価証明書に書かれた金額をもとに計算します。
知らないと損する2つの免税措置(2027年3月31日まで)
法務局・国税庁が認める登録免許税の免税措置があります。
- 不動産価額100万円以下の土地:その土地の相続登記の登録免許税が免税
- 数次相続のケース:土地を相続した人が登記を受ける前に亡くなった場合、その人を名義人とする中間の相続登記が免税
いずれも対象は土地で、建物は対象外です。どちらも令和9年(2027年)3月31日までの時限措置です。地方や郊外の土地を相続したケースでは、知らないと数万円損するので必ずチェックしましょう。
② 実費(必ずかかる)
書類取得や郵送にかかる費用です。
| 項目 | 1通あたりの目安 |
|---|---|
| 戸籍謄本 | 450円 |
| 除籍・改製原戸籍 | 750円 |
| 住民票・印鑑証明書 | 200〜300円 |
| 固定資産評価証明書 | 200〜400円 |
| 登記事項証明書 | 600円(書面請求)/520円(オンライン請求・送付)/490円(オンライン請求・窓口交付) |
トータルで5,000〜15,000円程度が一般的です。本籍地が転々としていると、もう少しかかることもあります。
③ 司法書士報酬(依頼する場合)
一般的な相場としては、
- シンプルなケース(相続人2〜3人・不動産1件):5万〜10万円
- 標準的なケース:7万〜13万円
- 複雑なケース(相続人多数・物件多数・数次相続あり):30万〜50万円
報酬には**「相続登記のみ」と「戸籍収集・遺産分割協議書作成までフルパッケージ」で大きな差があります。見積もり時にどこまで含まれるか**を必ず確認しましょう。
合計費用のシミュレーション
ケースA:評価額1,500万円・自分で申請
- 登録免許税:60,000円
- 実費:約10,000円
- 合計:約70,000円
ケースB:評価額1,500万円・司法書士に依頼
- 登録免許税:60,000円
- 実費:約10,000円
- 司法書士報酬:約80,000円
- 合計:約150,000円
ケースC:100万円以下の山林を相続・自分で申請
- 登録免許税:0円(免税)
- 実費:約5,000円
- 合計:約5,000円
費用を抑える3つの工夫
- 法定相続情報一覧図を作る:無料で複数枚もらえ、銀行手続きと並行できる
- 免税対象になるか確認:100万円以下の土地は免税
- シンプルなケースは自分で挑戦:法務局には登記手続案内(完全予約制・1回20分以内・無料)があり、申請書の作成に必要な情報を案内してもらえる
まとめ
費用は「評価額0.4%+実費数千円」が必須コスト。司法書士に頼むかは自分の時間とのバランスで決めるのが現実的です。期限内なら免税措置も活用でき、放置するより圧倒的に安く済みます。